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がん検診は何歳から?対年齢別のがんの検査方法や受診の目安

公開日:2025.08.18 更新日:
検診着を着用している男性と医療従事者の女性
「がん検診は何歳から受けるべき?」「がん検査の種類がわからない」「がんを早期に発見したい」と思う方は多いでしょう。 がんは年齢とともにリスクが上がる病気と考えられており、がんの種類ごとに検査方法や対象年齢も異なります。本記事では、代表的ながん検診の種類や特徴、検査内容を解説します。 がん検診の内容や頻度がわからない方や、これからがん検診を受けようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

がん検診は何歳から?がんの種類と対象年齢や受診頻度・検査方法

検査着を着て資料を手に持ち笑顔を浮かべている女性

がんは年齢とともに罹患率が上がる病気で、日本人の死因の多くを占めています(国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録))。しかし、がんを早期に発見し治療が開始できれば、がんを克服する可能性が高くなると考えられています。

 

がんを早期発見するためには適切な年齢で、がん検診を受けることが非常に大切です

 

まずは、検診が推奨されるがんの種類、対象年齢、受診頻度、検査方法について解説します。これから検診を受けたい方や検診を予定している方はぜひ参考にしてください。

  

胃がんは40歳以上もしくは50歳以上

厚生労働省によって定められた国が推奨する基準によると、胃がん検診の対象年齢は40歳以上で、受診頻度は2年に1回です。40歳以上から胃部X線検査、50歳以上から胃部X線検査と胃内視鏡検査のいずれかを受けられます。

 

胃部X線検査は撮影時にバリウムと呼ばれる造影剤を飲用した後、腹部のレントゲンを撮り食道・胃から十二指腸まで観察します。もし検査で異常が見つかった場合、内視鏡での精密検査が必要です。

 

胃内視鏡検査は、小型カメラで、直接胃の中を観察します。胃粘膜の凹凸や色の変化、ポリープやがんの有無などを観察できます。

 

胃カメラを経験した方の中には、「苦しくて二度としたくない」と思われる方もいますが、検査をする施設によっては、鎮静剤を使用して苦痛を抑えた内視鏡検査を受けることも可能な場合があります。また、嘔吐反射が出やすい方は鼻から内視鏡を入れた検査ができるケースもあります。

  

子宮頸がんは20代以降もしくは30歳以上

子宮頸がんの具体的な検査項目や受診頻度は以下の表の通りです。

対象年齢

検査項目

受診頻度

20代

問診・視診

子宮頚部の細胞診

内診

2年に1回

30代以降

問診・視診

子宮頚部の細胞診

内診

2年に1回

問診・視診

HPV検査単独法

5年に1回

(罹患リスクが高い方は1年後に受診)

子宮頚部の細胞診とHPV単独検査法は、子宮頚部の細胞を柔らかいブラシや綿棒、へらでこすって細胞を採取し、顕微鏡で異常な細胞がないかを調べる検査です

 

HPV単独検査法は、子宮頸がんの原因になるHPV(ヒトパピローマウイルス)の有無を調べます。検査に対する羞恥心や痛みには個人差がありますが、検査自体は約1〜2分で終わります。

 

肺がんは40歳以上

肺がん検診の対象年齢は40歳以上で、受診頻度は年1回です。40歳以上の方は胸部X線検査を受けられます。

 

胸部X線検査は、肺にがんが疑われる陰影がないかを調べる検査です。撮影時は、胸部全体を写すために、大きく息を吸い込んで息を止めた状態で撮影します。

 

さらに50歳以上の重喫煙者(喫煙指数600以上)の方は、胸部X線検査に加えて喀痰細胞診検査を受けられます。この検査は現在喫煙している方だけではなく、過去に喫煙していた方も対象の検査です。

 

喫煙指数は、1日に吸うたばこの本数×喫煙している年数で計算します。なお加熱式たばこは、カートリッジの本数を喫煙本数として数えます。

 

50歳以上で受けられる喀痰細胞診は、3日間起床時の痰を専用の容器に取り、痰の中のがん細胞の有無を顕微鏡で調べる検査です。

  

乳がんは40歳以上

乳がん検査の対象年齢は40歳以上で、受診頻度は2年に1回です。検診は問診を受けたあとに、乳房X線検査(マンモグラフィ)を行います。視診・触診は国の方針で推奨されていません。

 

乳房X線検査(マンモグラフィ)は、撮影時に乳房を板で圧迫して薄く伸ばした状態にしてがんの有無を調べる検査です。

 

乳房を圧迫することで正常な乳腺の重なりがなくなり、腫瘤があった場合に形や大きさが観察しやすくなります。X線検査では、乳房を触ってもしこりとして触れない石灰化した病変も発見できます。

 

注意点として、授乳中や妊娠中の方やペースメーカーが入っている方、豊胸術を受けた方などは、検診申し込み時に事前の相談が必要です。

 

また、乳房検査(マンモグラフィ)は、乳房が薄くなるまで圧迫を加えるため、痛みを感じる方が多いですが、我慢できないほどではないとされています。撮影はほとんどの場合、数十秒間で終わります。

  

大腸がんは40歳以上

大腸がん検診の対象年齢は、40歳以上で受診頻度は年1回です。検診では、問診と便潜血検査を行います。便潜血検査は便に混ざっている血液の有無を調べる検査で、自宅で自ら便を2日間採取するため、簡単で苦痛の少ない検査です。

 

便潜血検査が陽性だと「便に血液が混ざっている状態」のため、腸の粘膜にポリープやがんができている可能性があります。医療機関を受診して精密検査が必要になります。

 

もし精密検査になった場合、一般的には大腸内視鏡を行い粘膜に変化がないか、ポリープやがんはないかなどを観察します。

がん検診を受けるべき人の4つの特徴

女性医師へ相談する男性と女性

がんの発症リスクは年齢とともに高まる傾向がありますが、若い方であっても生活習慣や体質、過去の病歴などによって検診を受けたほうがよいケースもあります。

 

ここでは、年齢問わず、早めにがんの検査を受けたほうがよいケースを解説します。

  

喫煙・飲酒の習慣がある

喫煙や飲酒は、がんの発症リスクを高める要因としてよく知られています。飲酒の習慣がある方は、咽頭・食道・肝臓など、お酒が通過・分解される場所にがんが生じやすいとされています

 

また、喫煙者の場合は肺がんのリスクが高まるだけではなく、たばことお酒を両方とも長期間続けている方は、複数のがんを発症する可能性が上がるといわれています。

 

これらの習慣がある方は、習慣がない方と比較するとがんのリスクが高い傾向にあるため、定期的にがん検診を受ける必要があるでしょう。

  

家族にがん経験者がいる

血縁者にがんを経験した方が複数いる場合、遺伝性のがん(遺伝性腫瘍)の可能性が考えられます。特に、乳がん・大腸がん・卵巣がん・前立腺がんなどは、特定の遺伝子変異と関連があると考えられています

 

ただし、家族にがんの方がいるからといって必ず発症するわけではありません。

 

また、遺伝的な素因に加えて、生活環境や加齢などの後天的な要因が重なることで発症リスクが高まる場合があります。家族歴がある方は、自覚症状がなくても定期的ながん検診を受けておくと安心でしょう。

  

生活習慣病の危険性がある

高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、その予備軍とされる方もがんのリスクが高いと考えられています。

 

特に肥満や運動不足、栄養バランスの悪い食事などは、体内の慢性的な炎症やホルモンバランスの乱れを引き起こし、がんを誘発する要因となるケースがあるとされています。

 

すでに生活習慣病を指摘された方や、将来的な生活習慣病のリスクがあると感じる方は、日常生活の改善とともにがん検診の定期的な受検がおすすめです。

  

感染症にかかった経験がある

感染症にかかった経験のある方は、がんにかかるリスクが高くなると考えられています。それぞれのがんとそのリスク因子となる感染症は以下の通りです。

 

・肝臓がん:肝炎ウイルス

・子宮頸がん:ヒトパピローマウイルス(HPV)

・胃がん:ヘリコバクターピロリ

 

過去にこれらの感染症にかかったことがある方、もしくは感染の可能性が否定できない方は、念のために定期的ながん検診を受けるとよいでしょう。感染症の影響はすぐに現れるとは限りませんが、早期発見・早期対応が治療の鍵となります。

がん検査は症状がない人でも受けたほうが良い!実際の検診の受診率

がんは症状がなくても、下記に当てはまる方はリスクが高いと考えられています。

 

・喫煙・飲酒の習慣がある

・家族にがん経験者がいる

・生活習慣病がある

・感染症にかかったことがある

 

しかし、がん検診を受けている方は男女ともに60%にも満たない状況で、特に女性は受診率が低く50%以下となっています

 

がん検診を受けていない方の理由は、「時間がない」「健康に自信があり受ける必要性を感じない」「育児や介護で忙しい」などさまざまです。

 

しかし、いつ何歳からがんになるかも人によって異なります。自分の体を大切にするためにも、時間を作ってがん検診を受けましょう。

がん検診を早期に受けるメリット

ボードを持って微笑む女性医師

がんは、早期に見つけることで治療の選択肢が広がり完治を目指せる病気と考えられています。特に、無症状の段階で発見できれば、体への負担を抑えながら治療に取り組めるでしょう。

 

ここでは、がん検診を早期に受けることによる代表的なメリットを2つの観点から紹介します。

 

早期発見・早期治療による生存率の向上

がんは発見が早いほど、治療成績が良くなる傾向があります。実際に、大腸がん・子宮がん・乳がんなどは、初期段階で見つかれば5年生存率が90%を超えるという報告もあります。 

一方、膵臓がんのように早期の発見が難しいがんは、見つかった時点で治療が困難なケースも少なくありません。

膵臓がんは年間の死亡者数が4万人 (2023年時点情報)を超え、がん全体の中でも死亡率が非常に高いことが知られています。こうした背景からも、定期的ながん検診を受けることが、命を守る第一歩となるでしょう。

(参考: 『全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率 2011年から2013年診断症例』 )

  

無症状の段階で発見できる可能性

がんは進行するまで症状が現れにくいケースが多く、日常生活で体調の異変を感じたときには、すでに進行していることもあります。しかし、定期的にがん検診を受けていれば、無症状の「初期のがん」を早期に発見できる可能性があります

 

特に、若い方の中には、「まだ早い」と検診を後回しにしてしまう方もいますが、年齢に関係なくがんが見つかるケースはあります。忙しい毎日だからこそ、時間を作って検診を受けることが、自分自身と大切な家族を守ることにもつながるでしょう。

がん検診を受ける際の注意点

がん検診を受ける際には、いくつかの注意点があります。たとえば、内視鏡や組織採取を伴う検査では体への負担が大きく、検査そのものがストレスになる場合もあります。

 

また、治療の必要がない段階でも対応を迫られる「過剰診断」のリスクも懸念されています。さらに、がん検診は一度きりで終わるものではなく、繰り返し受けることになるため、費用面での負担も考えられるでしょう。

 

こうした背景から、まずは体への負担が少ない一次スクリーニングで全身のがんの有無を確認し、必要に応じて二次スクリーニングや医療機関での精密検査へと進める流れが、無理のない検査のあり方といえます。

がん検診だけでは不十分?がん検査の理想的な流れ

腕を組んで微笑む中年の男性医師

がんの検査を受けて早期にがんを発見したいと思っている方は多いでしょう。しかし「いつ検査を受けるべきかわからず費用も高額で受けられない」「がん検査のために仕事を休めない」と感じている方もいるかもしれません。

 

そのような方は、医療機関でがん検査をいきなり受けるのではなく、がんのリスクを調べるスクリーニングの受検がおすすめです。ここではがん検査の理想的な流れを解説します。

  

がん検査の理想的な流れ

がん検査を受けようと考えても、事前の準備や長時間の拘束が必要になったり、経済的な負担も大きかったりと、受けるのが難しいと感じるかもしれません。また早期発見につなげたいといってもどのタイミングで検査を受けるべきかわからないという方もいるでしょう。

 

さらに、PET検査や内視鏡検査などの一部の検査では、調べられる範囲が限られているだけではなく費用や身体的な負担も大きく、全身のがんを調べられるわけではありません

 

そのため、全身のがんの疑いを簡単に調べられる「一次スクリーニング」と呼ばれる検査でがんの有無を先に調べてから、がん種を特定する二次スクリーニング検査を受けるのがおすすめです。

 

その後、医療機関での精密検査で進行度や広がりを調べる流れが、身体的かつ経済的負担を考慮した理想のがん検査の流れといえるでしょう。

がん検診を何歳から受けるか悩む人はまずがんの有無を調べてみよう

メモを取りながら話を聞いている女性看護師

本記事ではがん検診が何歳から推奨されているのか、理想的ながん検査の流れも含めて解説しました。

 

がん検診を何歳から受けるか悩んでいる方は、まずは一次スクリーニングで全身のがんの有無を調べるのがおすすめです。一次スクリーニングの結果に応じて病院を受診し、がんの種類を特定するための二次スクリーニングや精密検査を行うと、がんの早期発見・早期治療につながる可能性があるでしょう。

 

国によってがん検診の推奨年齢は定められていますが、がんは年齢問わず発症する可能性がある病気です。理想的ながん検査の流れを知っておき、定期的に全身のがんの有無を調べる一次スクリーニングを受けて早期発見を心がけましょう。

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