PET(ペット)検査とは?がん発見の仕組みとメリット・費用を解説

PET検査とはどんな検査?検査の仕組みと精度

PET検査は、放射性薬剤を体内に注射し、がん細胞の代謝活動を画像化する検査方法です。がん細胞は正常細胞よりも活発にブドウ糖を取り込む性質があるため、この特徴を利用してがんの存在や広がりを詳細に把握できます。
従来のCTやMRIでは構造的な変化しか分からなかったのに対し、PET検査では細胞レベルでの機能的な変化まで捉えられる点が大きな特徴といえます。
PET検査の仕組み
PET検査では、放射性物質を含んだブドウ糖(FDG)を静脈注射し、体内での分布状況を特殊なカメラで撮影します。がん細胞は正常細胞の3~8倍多くブドウ糖を消費するため、FDGが集積した部位を画像化することでがんの存在を発見できるのです。
検査当日は注射後、約1時間安静にしてから撮影を開始し、全身の撮影には約30分程度要します。撮影中は検査台に横になっているだけで痛みはなく、コンピューターで解析されて立体的な画像として表示されます。この仕組みにより、従来の検査では発見困難だった小さながんや、全身の転移巣まで確認しやすくなりました。
PET検査の精度
2008年に国立がん研究センターが報告した研究によると、PET検査の精度は以下の通りでした。
感度 | 17.83% | 患者を「陽性」と判定する確率。高いほど「見逃しが少ない」検査といえる |
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特異度 | 95.15% | 健康な人を「陰性」と判定する確率。高いほど、「誤って陽性となるリスクが少ない」検査といえる |
発見率 | 0.96% | 検査を受けた全体のうち、実際に病気が見つかった割合。PET検査の場合、約100人に1人の割合で「がんが見つかる」検査といえる |
PET検査ではがん種により精度が異なるうえ、検出が難しいがんがあります(2019年 PET核医学分科会 PETがん検診ワーキンググループ監修:『FDG-PETがん検診ガイドライン 第3版』) 。
(参考:『多臓器を対象とした PET によるがん検診の精度評価に関する研究』)
PET検査で分かること
PET検査では、がんの有無や大きさ、転移の有無、治療効果などが分かるとされています。
・一部のがん:甲状腺がんや大腸がん、乳がん、卵巣がんなど
・がん以外の病気:てんかんや虚血性心疾患、心サルコイドーシス、アルツハイマー病など
・腫瘍の良性か悪性かの判定
・抗がん剤治療による効果や転移の広がりの確認
ただし、約1cm以下の微小ながんや、ブドウ糖をあまり消費しないタイプのがん(前立腺がん、胃がんなど)は検出が困難な場合があります。
PET検査とがん種の向き不向きは以下の通りです。
向いているがん | 向いていないがん |
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・甲状腺がん ・大腸がん ・乳がん |
・前立腺がん ・胃がん ・肝臓がん ・子宮頸がん |
日本で新たにがんと診断される患者が多いがんが、PET検査での検出が困難といわれています。そのため、PET検査を万能視せず、他の検査と組み合わせた総合的な診断が大切です。
PET検査のメリットとデメリット

PET検査は優れた診断能力を持つ一方で、制約や注意点も存在します。検査を受ける前に、メリットとデメリットの両面を正しく理解しておきましょう。特に費用面や検査の限界については、把握しておきたいものです。以下では、PET検査のメリットとデメリットを具体的に解説します。
PET検査のメリット
PET検査の最大のメリットは、以下の通りです。
・一度の検査で全身のがんをチェックできる
・1cm程度のがんが検出できる
・身体的負担が少ない
・入院が不要
従来は臓器ごとに別々の検査が必要でしたが、PET検査なら頭部から足先まで全身を一度に調べられます。また、早期がんの発見も期待でき、症状が現れる前の段階でも1cm程度のがんであれば見つけられる可能性もあります。
検査自体も静脈注射の痛みしかないため、体への負担もほとんどありません。入院が不要なのも、仕事をしている人には大きなメリットです。
さらに、がんの活動性を評価できるため、抗がん剤治療によってがんが小さくなったかどうか画像で把握でき、治療の効果判定や治療計画を立てやすくなります。
PET検査のデメリット
PET検査のデメリットは、費用面や検査に不向きながん種がある点など、以下の通りいくつかあります。
・高額な費用
・放射線被ばく
・血糖コントロールが必要
PET検査は多くの場合は自費診療となり、10万円~15万円程度の費用がかかります。保険適用は対象となる疾患や条件が厳しく、多くの方は高額な費用を負担せざるを得ません。
PET検査では放射性物質を使用するため、妊娠中は検査を受けられません。授乳中の方は検査を受けることはできますが、検査後24時間は授乳を控える必要があります。
また、PET検査はブドウ糖代謝を利用するため、高血糖の方は正確な検査が困難です。糖尿病の方は事前に血糖コントロールが必要となります。
PET検査は必要?PET検査と腫瘍マーカーの違い
腫瘍マーカーは血液や尿中の特定の物質によりがんの可能性を調べる検査です。腫瘍マーカーにはPSAやCEA、CA15-3などがありますが、がんの種類によって対応する項目は異なります。
がんによって数値も高くなる傾向はありますが、「高値ならがん」「低値ならがんではない」とは判断できません。がん以外にも加齢や飲酒、他の病気によっても高値となりうるためです。腫瘍マーカーは特定のがんに対する指標となる一方で、他の検査との併用が必須といえます。
一方で、PET検査は放射性薬剤を体内に注射して、がん細胞の代謝活動を画像化する検査方法です。転移の把握や抗がん剤治療の効果判定などに活用できるため、状況によっては必要となるでしょう。
PET検査だけではない丨がん検査の理想的な流れ

がんの有無を知りたいものの、PET検査は費用面や精度の面から受けるのをためらう方も多いでしょう。がん検査をするなら、段階的に複数の検査を組み合わせると効率的です。
これまで、がん検査といえば、5大がん検診のように各臓器を調べたり、PET検査のように全身を調べられるものの高額であったり、といった検査が主でした。
しかし、理想的ながん検査の流れとしては、まず簡便で身体的にも費用面でも負担の少なく、かつ全身のがんを調べられるスクリーニン
段階的に検査を受ければ、コストや負担を抑えつつ早期発見の可能性を高められます。近年注目されている「N-NOSE」のような革新的な検査もあり、最初のふるいにかける段階(一次スクリーニング検査)として活用できるでしょう。ここからは、理想的ながん検査の流れを紹介します。
がん検査の理想的な流れ
がん検診や病院での検査は、病院に行く時間や食事制限などの手間、さらに費用負担も大きく、定期的に受けるのは難しい方が多いでしょう。費用と効率を考えるなら、以下のようながん検査の流れが理想的です。
・一次スクリーニング:全身のがんの有無を調べる
・二次スクリーニング:がん種を特定する
・精密検査:がん種とステージを診断
一次スクリーニングはこれまでになかった概念であり、自覚症状のない一般の人々を対象として全身のがんの有無を調べる検査を指します。
そのため、一次スクリーニングは、定期的に受けられるよう簡便で費用負担の少ない検査が望ましく、全身の「がんの疑い」を早い段階で検出できる精度が求められます。一次スクリーニングで「がんの疑い」となったら、がん検診や腫瘍マーカーなどでがん種を特定する二次スクリーニングに進み、CTやMRIなどで精密検査を行うといった流れがよいでしょう。
コストや身体的負担を抑えつつ、早期発見・早期治療につなげやすくする検査体制が理想的といえます。
一次スクリーニング検査「N-NOSE」について
一次スクリーニング検査をするなら、誰でも簡便に受けられて費用負担の少ない検査「N-NOSE」が最適です。N-NOSEは、尿中のがんの匂いに反応する線虫の性質を利用した革新的なスクリーニング検査です。尿検査のため、痛みを伴うなどの身体面でのリスクがなく、PET検査と異なり、誰でも手軽に受けられます。
費用面でも、N-NOSEは15,800円からとPET検査より大幅に費用を抑えられるうえ、全身23種のがんに対応して調べられます。PET検査は全身を調べられるものの、検出が難しいがんもあり、全てのがんが見つかるわけではありません。
また、特定のがんに対して高精度なリスク判定を行う検査、「N-NOSE+」であれば、すい臓がんや肝臓がんのように、死亡数が多いものの初期症状が出にくく見つけにくいがんを見つけられる可能性があります。
N-NOSEで高リスク(がんの疑いがある)と判定されたら、N-NOSE+でがん種の特定をし、その後に医療機関での精密検査に進めば、手間とコストを抑えられつつ、全身を網羅的に調べられるでしょう。
半年に1回のがんリスク検査「N-NOSE」でがんを早期発見

PET検査は確かに優れた診断技術ですが、高額な費用や体の負担を考慮すると、全ての人が定期的に受けるのは現実的ではありません。
必要なのは、簡便で高精度なスクリーニング検査を活用した効率的ながん検査体制です。まずは全身のがんの有無を調べる一次スクリーニングとして、N-NOSEのような革新的な検査を活用しましょう。
高リスク(がんの疑いがある)と判定されたらN-NOSE+でがん種の特定を、そして医療機関での精密検査に進むといった流れが、コストと精度を考慮すると理想的です。
がんの治療の選択肢を増やし、社会復帰を早めるためには早期発見が重要です。定期的なスクリーニング検査で、がんへの備えを万全にしましょう。