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がんになりやすい人の特徴7選!初期症状やがんを早期発見する方法

公開日:2025.10.31 更新日:
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がんは日本人の死因第1位を占める重大な疾患です。しかし、がんになりやすい人にはどんな特徴があるのか知らない人も多いでしょう。 がんの発症には生活習慣や遺伝的要因など、さまざまな要因が関与しています。本記事では、がんになりやすい人の特徴を7つに分けて解説し、予防と早期発見のポイントをお伝えします。

がんになりやすい人の特徴7選

お酒を持って乾杯している人の写真.jpg

がん細胞は、正常な細胞のDNAに傷がつき、細胞の増殖や死滅のコントロールが効かなくなるために発生するとされています。

この細胞の異常は、発がん性物質への暴露、慢性的な炎症、免疫機能の低下、遺伝的要因などによって起こるものです。

がんになりやすい人がいるように、がんの発症リスクは個人の生活習慣や体質によって大きく異なります。がん細胞の発生要因も踏まえながら、がんになりやすい人の特徴7つを紹介します。

喫煙習慣がある・過去に喫煙習慣があった人

喫煙は最も重要ながんのリスク要因です。たばこに含まれる約70種類の発がん性物質の影響から、喫煙者の肺がんリスクは非喫煙者と比べて男性で4.4倍、女性では2.8倍に上るとされています。*

影響は肺がんだけでなく、口腔がん、咽頭がん、食道がん、胃がん、膀胱がんなど全身のさまざまな部位に及びます。

過去に喫煙習慣があった人は、禁煙後10年以上経過してもリスクは完全にはゼロになりません。受動喫煙も軽視できず、家族や職場での受動喫煙により非喫煙者でも肺がんリスクが約1.3倍に増加するといわれています。*2

*1 肺がん 予防・検診|国立がん研究センター がん情報サービス

*2 受動喫煙と肺がんとの関連についてのシステマティック・レビューおよびメタアナリシス

大量の飲酒をする人

アルコールの過剰摂取は、複数のがんの発症リスクを高めます。アルコールが体内で分解される際に生成されるアセトアルデヒドが、DNAを損傷してがん化を促進するためです。

大腸がんの場合は1日平均20g以上、肝がんの場合は1日平均60g以上のアルコール摂取により、発病リスクが上がるとされています。*

また、女性は男性よりもアルコールの影響を受けやすいと考えられており、乳がんのリスクも飲酒量に比例して上昇するため、飲酒量には注意が必要です。

* 健康に配慮した飲酒に関するガイドラインについて

がんのリスクにつながる細菌やウイルスへ感染している人

特定の細菌やウイルスへの感染は、がんの発症リスクを大幅に高めることが証明されています。主要な感染性病原体とそのリスクは以下の通りです。*

原因となるウイルス・細菌 がんの種類

ヘリコバクター・ピロリ

(H. pylori)

胃がん

B型・C型肝炎ウイルス

(HBV、HCV)

肝臓がん

ヒトパピローマウイルス

(HPV)

子宮頸がん、陰茎がん、外陰がん、腟がん、肛門がん、口腔がん、中咽頭がん

エプスタイン・バール・ウイルス

(EBV)

上咽頭がん、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫

ヒトT細胞白血病ウイルスI型

(HTLV-1)

成人T細胞白血病リンパ腫

中でも、ヒトパピローマウイルス(HPV)は、子宮頸がんの95%以上に関与していると考えられています。他にも、日本人の約半数が感染しているヘリコバクター・ピロリ菌は胃がんリスクを5倍にし、肝炎ウイルス(B型・C型)は肝臓がんリスクを顕著に高くするとされています。

* がんの発生要因|国立がん研究センター がん情報サービス

太り過ぎや痩せすぎの人

体重の極端な偏りは、がんのリスク要因となります。肥満は慢性的な炎症状態を引き起こし、がん細胞の増殖を促進する環境を作り出すためです。

肥満(BMI30以上)では、大腸がんや乳がん(閉経後)、子宮体がん、腎がんのリスクが1.5〜2倍に増加し、一方で極端な低体重(BMI18.5未満)も免疫機能の低下により、感染症関連がんのリスクを高めるおそれがあります。

日本人のBMIは22を基準とし、18.5〜24.9が標準的です。内臓脂肪の蓄積を示すウエスト周囲径も重要な指標で、男性85cm、女性90cm以上がメタボリックシンドロームの診断基準となります。

生活習慣病にかかっている・生活習慣病のリスクが高い人

糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、がんの発症リスクを高めます。生活習慣病により、体内の慢性炎症や免疫機能の低下が生じ、がん細胞の発生・増殖が促進されるためです。

糖尿病既往がある方のがんリスクは男性で1.27倍、女性で1.21倍ほど上昇し、特に肝がんや胃がんのリスクが顕著に高まると報告されています。*

また、高血圧患者では腎臓がんのリスク上昇が、脂質異常症では前立腺がんや乳がんのリスクへの影響があるといわれています。まだ生活習慣病になっていない段階でも、肥満や塩分摂取過多な状態であれば、がんのリスク要因として否定できません。

生活習慣病といっても複数の要因が影響するため、定期的な健康診断と食生活や運動習慣の見直しが必要です。

* 糖尿病とその後のがん罹患との関連について|国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト

慢性的に塩分過多や栄養不足の人

長期間にわたる栄養バランスの偏りは、がんの発症リスクを高めます。特に塩分の過剰摂取は胃がんのリスクが大幅に上昇すると考えられています。成人1日あたりの食塩摂取目標量は、男性が7.5g未満、女性が6.5g未満です。*

また、加工肉は大腸がんのリスク要因と考えられています。過剰摂取だけでなく栄養不足もがんと無関係ではありません。

さらにビタミンやミネラル、食物繊維の不足は免疫機能を低下させるため、がんを含めた病気にかかる要因にもなる場合があるでしょう。このように、一部の食品の過剰摂取や不足は、がんのリスクを高めるため注意が必要です。

また食品や栄養素だけではなく、熱すぎる飲食物にも注意が必要です。熱すぎる飲食物は食道がんのリスクを高めると考えられているため、健康に良いと考えて温かい食事や飲み物を飲む際は、適度に冷ましてから摂取しましょう。

* ナトリウムの働きと1日の摂取量

遺伝的がんリスク体質の人

がんの発症には遺伝的要因も影響します。遺伝的がんリスク体質を持つ人は若い年齢でがんを発症しやすいと判明しました。*

代表的な遺伝性がんとして、BRCA1・BRCA2遺伝子変異による遺伝性乳がん・卵巣がんが挙げられます。頻度は400~500人に1人です。また、稀な変異以外にも、多くの人が持つバリアント(遺伝子の個人差)が組み合わされば、がんリスクが高まると判明しました。

遺伝子変異はポリジェニック・リスク・スコア(PRS)で評価され、7種類のがんで高精度な予測が可能です。遺伝的にがんリスクを有する人は、年齢問わずがんになる可能性が高いと知っておきましょう。

* 遺伝的がんリスク体質の人は若くしてがんになりやすい

がんになる確率とは?なりやすい年齢やがん患者数・死亡者数

日本人の死因で最も多い病気は悪性新生物(がん)です。さらに統計データから、日本人のがん罹患率・死亡率を以下にまとめました。*

罹患率(部位:人口10万対) 死亡率(部位:人口10万対)
男性 女性 男性 女性
1位 前立腺:156.6   乳房:153.2 肺:89.8 大腸:40.4
2位 大腸:141.4 大腸:105.9 大腸:47.4 肺:36.7
3位 肺:135.6 肺:64.8 胃:43.0 膵臓:32.6
4位 胃:125.9 胃:55.9 膵臓:33.7 乳房:25.1
5位 肝臓:38.8 子宮:46.7 肝臓:25.8 胃:21.6

※罹患率は2021年、死亡率は2023年のデータ

罹患しやすいがんは、男性は前立腺がん、女性は乳がんといずれも男女特有のがんであると分かります。

また、大腸がんは男女ともに罹患率・死亡率の高さが特徴的です。一方で、膵臓がんは罹患率に対して死亡率が高い点が特徴といえます。

罹患率は、男性は50代ごろから、女性は40代後半ごろから大きく増加する傾向にあります。しかし、若い世代ががんにならないわけではありません。特に女性は、30代でも乳がんや子宮頸がんの罹患数が増えています。

年齢性別によってがんの罹患率や死亡率は異なりますが、5つのがん(胃・肺・大腸・子宮・乳)は早期発見により早期の治療が可能であり、5年生存率も上がる傾向にあります。いかに早く見つけるかが鍵となるでしょう。

* 最新がん統計|国立がん研究センター がん情報サービス

なりやすいがんの初期症状

がんの早期発見には初期症状の理解や検診が欠かせません。前述した死亡率の高いがん5つ(肺・大腸・膵臓・胃・肝臓)の初期症状を以下にまとめました。

初期症状
肺がん ほとんどなし。進行すると、咳・痰・血痰・胸痛・息切れなどが生じる場合もある
大腸がん ほとんどなし。血便・便通異常などが生じる場合もある
膵臓がん ほとんどなし。進行すると、腹痛・食欲不振・おなかの張り・黄疸などが生じる場合もある
胃がん ほとんどなし。進行すると、胃の痛み・胸やけ・食欲不振などが生じる場合もある
肝臓がん ほとんどなし。進行すると、腹部のしこり・圧迫感・痛みなどが生じる場合もある

いずれのがんも初期症状、早期の自覚症状がほとんどなく、症状が現れるころにはある程度進行した状態が多いとされています

しかも、多くの症状は日常的な不調と似ているため見過ごされやすく、「ただの風邪」「胃もたれ」と軽視されがちです。血便が出ても「痔」と自己判断する人もいるかもしれません。

しかし、良性の疾患かがんなのか、がん以外の疾患なのかの判別は難しいため、症状が続く場合や、これまでにない違和感を覚えた場合は早めに医療機関を受診しましょう。

胃がんの初期症状とは?原因や早期発見のためのチェック方法

がんになりやすい人ががんを早期発見するには?

ハートマークを抱えている人.jpg

がんの5年相対生存率はステージI(早期)とステージIV(進行期)では大きな差があるといわれているため、早期発見が鍵となります。

ここでは、がんになりやすい人ががんを早期発見するための方法を紹介します。

初期症状を疑う症状が見られたら早期に病院を受診する

多くのがんは初期症状があまり見られませんが、進行するうちに症状が現れる場合もあります。

最初は「体調を崩したかな?」という程度に思うかもしれませんが、下記の症状が続く、違和感がある場合は早期に病院を受診しましょう。いくつかがんの初期症状を疑うケースを以下に挙げます。

・持続する咳や血痰:肺がんの疑い
・血便や便通の変化:大腸がんの疑い
・持続する腹痛や背部痛:膵臓がんの疑い
・胃痛や食欲不振の継続:胃がんの疑い
・右腹部の違和感や黄疸:肝臓がんの疑い

上記の症状は他の疾患でも起こりうるため、杞憂に終わるかもしれません。しかし、受診して必要な検査を受ければ、がんの早期発見につながる可能性もあります。

気になる症状が続いたら、自己判断せず専門医の診断を受けましょう。

がん検診や人間ドックを受ける

定期的ながん検診と人間ドックの受診は、症状が現れる前にがんを発見する一般的な方法です。

厚生労働省が推奨する5大がん検診(胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がん)は、死亡率減少効果が科学的に証明されています。各検診の対象年齢や検査の間隔は以下の通りです。*

対象年齢 検査間隔
胃がん検診 50歳以上 2年に1回
大腸がん検診 40歳以上 1年に1回
肺がん検診 40歳以上 1年に1回
乳がん検診 40歳以上 2年に1回
子宮頸がん検診※ 20歳以上 2年に1回

※ 自治体と検診内容により30歳以上は5年に1回の場合もある

上記の検診は市区町村で実施されており、費用も比較的安価で受けられます。医療機関に行く必要はありますが、対象年齢に該当するのであれば定期的な受検をおすすめします。

また、人間ドックを受けるのも一つの選択肢です。人間ドックでは、公的検診でカバーされない臓器も含めた包括的な検査が可能です。

血液検査や腹部超音波、腫瘍マーカーなどのほか、オプションでCTやMRIなども受けられ、より多くのがん種を早期に発見できる可能性があります。

ただし、費用負担が大きくなりがちで、通常の人間ドックで数万円、オプション次第で10万円を超えるケースも少なくありません。そのため、家族歴や個人のリスク因子に応じて、検査項目をカスタマイズするとよいでしょう。

* 早期発見・早期治療につなげるために 正しく知ろう!がん検診

一次スクリーニングを受検する

遺伝的がんリスク体質の人は若い年齢でがんを発症しやすく、通常の検診では初期がんの検出が困難な場合があります。

一般的ながん検診は決まった年齢から補助があり受けやすいなどの利点もありますが、リスクの高い人は年齢に関係なく定期的な検査を受けるのがおすすめです。

理想的ながん検査の流れは、身体的・費用的負担を最小限に抑える段階的アプローチです。従来の臓器別検診は手間がかかり見逃しリスクもあるため、まずは、自覚症状のない方を対象として行われる「一次スクリーニング」で全身のがんの有無を簡単に調べます。高リスクの場合は二次スクリーニングでがんの種類を特定し、最終的に精密検査で確定診断と治療方針を決定します。

この新しい概念である段階的検査により、不必要な侵襲的検査を避けながら効率的にがんを発見できるため、若い人でも負担を抑えて定期的な受検が可能になるでしょう。

がんになりやすい人は一次スクリーニングを活用してがんの早期発見を目指そう

問診票と記入するためのペンの写真.jpg

がんは日本人の死因で最も多く、誰にでも起こりうる疾患です。がんになりやすい人にはいくつか特徴があります。

現代の医療技術により、がんは「不治の病」から「早期発見により治癒可能な疾患」へと変化しています。早期発見のためにも、定期的に一次スクリーニングを受検して、がんの有無を調べることが大切です。

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