
言葉なき命に、
がんを知らせる新しい力
JAMC
有藤本院院長
Chapter 1 / 動物医療の現場から見える「がん」との向き合い方

動物医療において、「がん」はどのような病気として認識されていますか?
「がん(悪性腫瘍)」は、今も昔も動物にとって命に関わる深刻な疾患です。特に高齢化が進む中で、腫瘍は犬猫の主要な死因のひとつとなっています。診断が遅れると治療自体が困難になることも多く、早期発見と早期治療が非常に重要です。


ペットのがんは早期発見が難しいと言われていますが、臨床現場ではどのような課題を感じていますか?
動物は不調を言葉で伝えられず、ご家族様が異変に気づいた時にはすでに進行していることが多いです。早期発見にはX線や超音波検査などの画像診断が必要ですが、費用、動物へのストレス、検査精度などの課題があります。


動物のがん治療において、ご家族様が抱える心理的・経済的な負担について教えてください。
「延命させたい気持ち」と「苦しませたくない思い」の間で揺れるご家族様は多く、治療の選択に悩まれる方も少なくありません。ペット保険により金銭的な負担は軽減されつつありますが、がん治療は高額になりがちで、期間の見通しも立てづらいため、心理的にも大きな負担となります。

Chapter 2 / N-NOSEあにまるとの出会いと可能性

N-NOSEあにまるを初めて知ったとき、どのような印象を持たれましたか?
「こんなに簡単に、腫瘍の可能性が分かるのか」と驚きました。動物たちにストレスをかけずに検査できる点に、大きな可能性と魅力を感じました。


動物医療の観点から、N-NOSEあにまるが果たし得る役割とは?
腫瘍の早期発見のための有望なツールだと感じています。これだけで腫瘍の有無がすべて分かるわけではありませんが、がん検診の一部として日常的に活用できるのが大きな強みです。


臨床現場での導入例や、実際の患者(動物)やご家族様からの反応があれば教えてください。
画像検査と組み合わせた「がん検診」の一環として導入しています。動物への負担が少なく、「簡単に受けられる」とご家族様からも好評です。


動物医療の定期検診の意識向上に、N-NOSEあにまるはどのように貢献できると考えますか?
負担の少ない検査があることで、普段動物病院に来るのが億劫な動物たちも定期検診を受けるきっかけになります。ご家族様の腫瘍に対する意識の向上に大きく役立つと感じています。

Chapter 3 / 人と動物の命に寄り添う医療の未来

「動物は家族」と考えるご家族様が増えている中で、どのような医療が求められると感じますか?
動物が家族の一員であるということを十分に理解したうえで、ご家族様の気持ちに寄り添いながら共に歩む医療がより求められています。また、医療技術が進歩する中、常に最新の知識を学び、正確な情報を提供していく姿勢も重要です。


HIROTSUバイオサイエンスと動物医療界が連携することで、どんな未来が実現できると思いますか?
血液検査などの一般的な健康診断だけでなく「がん検診」が浸透することで、病気の早期発見につながり、動物たちの健康寿命が長くなること、そして、なによりご家族様がより幸せな生活を送ることができることを期待しています。


N-NOSEあにまるの今後の進化や、他の動物種への応用について期待されることは?
犬猫以外にも応用が広がれば、エキゾチックアニマル医療の進展にもつながると思います。また、がんの種類ごとに判別できるようになれば、さらに精度の高い早期発見が可能になります。


発明から10年を迎えるHIROTSUバイオサイエンス社へのメッセージをお願いします。
動物医療に革新的な検査技術を届けていただき、心から感謝しています。これからも、人と動物の幸せな暮らしを支える存在としてのご発展をお祈り申し上げます。

PROFILE


JAMC
有藤本院院長
- PROFILE -
2007年に岩手大学を卒業後、日本動物医療センターに新卒で入社。現在は本院の院長として、診療業務だけでなく、スタッフの育成やチーム医療の推進にも尽力されています。スタッフが一体となって動物と飼い主に寄り添う医療体制の構築に力を入れておられます。